富士登山の前にチェック!富士山のトイレ事情とトイレ利用前に準備しておきたいもの

※掲載内容は取材当時のものです。最新情報をお調べのうえお出かけください。

日本でもっとも高い山、富士山。富士山登頂のためには、登山ウェアや靴の購入、宿泊場所や行き帰りの交通手段の確保など、入念な準備が必要です。
しかし、富士山の山小屋にある「トイレ」に関して、その実状を知らない人も多いのではないでしょうか。

山小屋にあるトイレは、日常生活で使用しているものとは多くの点で異なります。
そこで今回は、富士登山を目指す人に向け、富士山のトイレ事情と事前準備しておきたいものについて、お伝えします。

富士登山の前にチェック!富士山のトイレ事情とトイレ利用前に準備しておきたいもの

富士山にあるトイレの仕組み

富士山では、土壌に「し尿」をそのまま流さず、自然環境に負荷がかからないように処理をする「環境対応型トイレ」を導入しています。

具体的には、おがくずを利用して微生物にし尿を分解してもらうバイオ式や、石油や灯油で燃やして灰にする燃焼式など、環境にやさしい工夫がほどこされたトイレが設置されています。

こういった環境にやさしいトイレを安全に運営し維持していくには、莫大なお金がかかるものです。まずはこの仕組みを理解しておきましょう。

富士山でのトイレマナー

環境にやさしいトイレを維持するためには、利用者の協力も不可欠です。
それでは、富士山のトイレマナーについてご紹介します。

マナー1.トイレ利用料は有料!小銭入れを準備すべし

富士登山の前にチェック!富士山のトイレ事情とトイレ利用前に準備しておきたいもの

先ほどもお伝えしたように、富士山にあるトイレの運営と維持には膨大なコストがかかっています。トイレットペーパーや消毒液、燃料などの荷揚げだけでなく、し尿などの荷降ろしも必要です。山岳地帯における運搬業務は、ヘリコプターや歩荷(ぼっか)さんが歩いて行うので、地上の運送とは比べ物にならないくらい手間暇や運送費がかかるのです。

このような事情から、富士山のトイレを利用するときは「トイレチップ」が必要になります。料金は200〜300円で、トイレの横にお金を入れる箱が設置されているので忘れずに投入しましょう。
お金はすぐ取り出せるように、トレッキングパンツなどのポケットに入るくらいの小銭入れを用意しておくと良いでしょう。一回の富士登山につき、100円玉は30枚程度持っておくと安心です。

マナー2.使用済みの紙はゴミ箱へ捨てよう


富士山にあるトイレは水洗でないものがほとんどです。使用済みの紙はトイレ内に設置されたゴミ箱に捨てましょう。

マナー3.外で用を足すのは絶対NG!不安な人は「携帯トイレ」を準備すべし

どうしてもトイレに行きたい!でも周りにトイレがない…。そのような状況に陥ったとき「茂みに隠れて用を足せば良いじゃないか」などと考える人もいるかもしれませんが、それはマナー以前の問題です!
富士山が世界“自然”遺産ではなく世界“文化”遺産になったのは、環境保全の観点で難があったからです。登山者はこのような環境問題を無視するわけにはいきません。

トイレに行けるタイミングは、予想がつきません。多少混雑していても設置されているトイレに辛抱強く並びましょう。緊急時用として「携帯トイレ」や「目隠し用ポンチョ」などを準備しておくと安心です。

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